映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』★3

平手友梨奈の卒業発表から早8ヶ月。
直近では欅坂の解散も発表された。
セゾン〜1stアルバムの時期までは欅にドハマりしていたこともあり
サイマジョ〜セゾンあたりの明るい平手から一体どのタイミングで、どのようなきっかけで闇落ちしたのかが気になり劇場に足を運んだ。

結論、上述の知りたい箇所は一切明かされなかった。
タイトルでいう「嘘」の箇所しか流れてないのでは?という不満を感じざるをえない。
倒れた平手に寄り添うメンバーといった描写は描かれるが、明るく笑う平手や内心を吐露するシーンはカットされており(そもそもない存在しないのもしれないが)
欅運営が売り出してきた『孤独な天才である平手像』を意図的に崩さない、プロパガンダ的な側面を押し出した構成となっているような印象を受けた。
現在も残留しているメンバー目線でのインタビューは流れるが
インタビューを受けたメンバーも「不協和音あたりから平手のことがわからなくなった」と語っており、『欅の内部から見た平手』という一番知りたい箇所がボカされているので、ファン目線での情報から一切進展がない。
また、卒業(脱退)したメンバーから欅について語られることは一切なく、
志田や長沢等の中退メンバーは仕方ないにしても長濱ねる、今泉 佑唯、鈴本美愉等の平手と近い距離にいた主要メンバー目線での平手の掘り下げはあっても良かったのではと個人的には思う。

微妙な点を列挙したが、ドキュメンタリー自体の出来は中々良かった。
平手へのコンプレックスを抱えるメンバー(小林、小池)が才能の差を自覚しながらも乗り越えていく様子を丁寧に描くことで、脱平手をポジティブな印象に変え、新グループへの期待を高まらせるには十分な材料におもえる。
他に良い点としては、ドキュメンタリーではあるが、ライブがフル尺で流れるシーンも多く、映画館の環境で見るライブパフォーマンスは迫力があり見応えがあった。

まとめると、欅における平手の軌跡は語られるがその内情はわからなかったので、個人的には期待はずれだった。
平手が雑誌のインタビューで「この映画は自分は一言も喋っていない、いつか自分の口で真相を語りたい」といった旨の発言をしていたようなので、この映画で語られなかった真相が明かされる、その日を楽しみに待とうと思う。