映画『21世紀の資本』★4

映画『21世紀の資本』、友達に誘われたからノリで見に行った。

 

結論から書くと、意外と楽しめた。

日本語版ポスターのチープさから本を読まない層にリーチした内容(漫画でわかる〜のようなストーリー仕立てのドラマ)かと勝手に思っていたのだが、実際はNetflix

世界の"今"をダイジェスト』のようなテイストのドキュメンタリーだった。

専門家のインタビューを交えながら実際の映像や風刺を聴かせた映像*1を用いて視覚的にもわかりやすく話が進んでいき、元々の期待値が低かったギャップで楽しめたのかもしれない。

 

21世紀の資本』はベストセラーにもなった本で、映画に誘ってきた友人から借りて読んだことがあるのだが、正直内容が難しく、解説や関連書籍を見て補完して少し理解できたといった感じだ。

ピケティの主張を内容を自分なりに咀嚼して説明すると

『「r>g」*2の性質上、みんなで選挙行って資産家の課税を増やさないと資本格差はこれからどんどん広がっていって昔の貴族と奴隷みたいになるよ』

 

自分はカウンターの策としては大きく2パターンあると思っていて、

一つ目はリスクをとって起業→バイアウトして莫大なキャッシュを資産運用するルート(資本主義のルールに乗っかって個人で半貴族を目指すパターン)。

二つ目は資産家に課税する政党を支持して資産家から搾取するルート(民主主義的なピケティルート)。

日本人の大多数は起業=リスク*3のようなイメージを植え付けられており、後者の方が現実的だとは思う。

というか、この映画が作られた意図として、映画を見る層を取り込んで後者の資産家搾取ルートの人口を増やそうとしているのかな。

 

 

年金崩壊、終身雇用崩壊と言われてる現代で、今後の生き方を見つめ直すいいきっかけになる映画だった。

 

余談① 

それにしても日本語版のポスターのチープさが酷すぎる。

雑に貼られた写真、クソダサフォントのコメント、雑すぎだろ。

新卒研修でペイントかなんかで作らせたの?

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左:日本語版クソダサポスター 右:米版ポスター

余談②

映画館はコロナの自粛明けということでかなり配慮されていた。

入り口にアルコールスプレー常備はもちろんのこと、サーモグラフィで体温の確認、

席を上下左右に空白を作るように配置と、すごい徹底ぶりだった。

映画館で見るときのストレスとしてクソ客があるのだが、そもそも席数が減らされている今は快適に映画を見れる数少ない機会かもしれない。

*1:映画『ウォール街』や『シンプソンズ』のローン破綻の回など

*2:資産運用で生まれる富は経済成長率より大きい

*3:ここでいうリスクはリターンが見込めるリスクじゃなくて無謀といった意味合い